2002年9月16日(月)
向日町競輪A級最終日

9.16携帯で決勝のメンバーを見る。
同じ枚方という事で今開催期待していた近藤さんがいない・・・(準決勝で失格になっている)、中部が5人。食指の動かないメンバー。
唯一の救いは、今まで私の車券に散々貢献してくれた村上。その弟がいる事だ。

一度梅田に出て、阪急に乗って東向日へ。
バスで、高槻まで出て、そこから阪急というルートよりは遠回りだが、家から、JR大阪までの定期を持っている私にとって、コストパフォーマンスの高い方法だ。
7月に松本勝明賞で使用して以来、向日町に行くときはこの方法を取っている。西宮、甲子園がなくなって以来、私の自宅から、一番安く行ける競輪場である。

いつものように電車を降り、駅の改札を出て、無料バスに。
発車してすぐに右に曲がり、狭いダラダラした狭い上り坂を登ると、競輪場に到着である。
昔は、京都市内の中心部数ヶ所から、無料バスが出ていた時期もあったが、今は昔である。

50円を払い場内へ。いつもより、多くの観客がスタンドにいるように感じた(最終的に6200人あまり入場していた)。記念を除けば、久しぶりに見た盛況である。プロレスとの合体企画、成功か?

さて、プロレスは前座の試合がすでに終わり、残りの試合までまだ間があるので、競輪に集中する。13日奈良で連携した絵師さんもほどなくやって来た。

5R。私の地元枚方の平田が登場だ・・・それにしても、なぜ平田こんな早いレースに出ているのだろう。
このレース機動力タイプすべて近畿。5396 74 821の並び。ここはもう平田だろう、と5−3、5−1、5−7、5−9と買う。
レースは、混戦。平田が鐘で先行体制。これですんなり押し切りだろう。坂田が叩いてきたが、これはすんなり突っ張りきって・・・
と思ったら叩き合いの末、10点以上も競走得点が下の坂田に叩かれてしまった。「え、まじ?」。
結局最後は、番手絶好前田が抜け出した所を、井田が追い込み3−2だった。それにしても、どうしたんだ74期こと平田君・・・。

6R。14 3792 568の並び。ここはケンを決め込む。結局1番人気の7−3で決着

絵師さんは、競輪場のあちこちを散策していた。似顔絵を書く仕事をしていて、ネタ探しに頑張られていた。絵師さん見てると、目が4つ、5つ付いてるようだ。私自身が鈍感なだけかも知れないが(汗)

7Rは、579 436 129。佐藤が先行濃厚なレースだ。これなら、番手の長澤が絶好だろう。相手は佐藤、井村、松崎で買った。
と思ったら、レースでは佐藤は石本に叩かれて、さらに松崎が捲って最後は平田のチョイ差し・・・。
5Rじゃなくて、ここで「平田」が来て、どないすんねん(涙)

すぐに、大阪プロレスのリングが置かれている、特設会場に行く。向日町で言えば、4コーナースタンド裏、テントの近くである。松本勝明賞の時も、ここでデイリースポーツの井上和巳さんのトークショーが行われていたっけ。テントの下は、椅子席なので、イベントがやりやすいのだ。

さて、セミファイナルが始まる。村浜・ミラクルマン組vsツバサ・バファロー組
ツバサ組では、同団体ではヒールという役割ながら、熱烈なファイトをする、1番人気のタッグチーム。これと村浜組が戦う、という事で、15分間完全燃焼の戦いが期待できる、と思ったのだが・・・。

試合は途中で、マスク剥ぎ合戦。ラフでかみ合わないファイトに終始し、最後はバファローがミラクルマンのマスクを剥ぎ取ってしまい、反則負け。前回びわこより、圧倒的に多くの観客が見ていた前で真剣勝負寄りのカードが、この結果なので、これは大いに不満である。

こうなれば、お笑い側のメインイベントに期待である。

競輪に戻って、8Rは978 6453 21の並び。
絵師さんと歩いていると、絵師さんの知り合いのMさんがいたので、合流。
Mさんは私と同じ、競馬からの転向組。競輪暦もほぼ私と同じになる。いろんなお話させていただきました。

さて8Rは、人気も体重も・・・1番あるのは9番の佐々木だが、4.08の重いギアを履いているだけに、出足が鈍い弱点がある。
それなら、高佐は格下なら、思いっきり先手を取ってくれないか。そうなれば番手の日向に絶好になる、と目論んだ。
日向から、武上、岡野、泉、60点台だが、高佐も押さえた。

レースは、しかし、佐々木が磐石だった。
周回で高佐を前に置くと、鐘で王道の押さえ先行。こうなれば、他の選手は誰も太刀打ちできない。佐々木は、佐野を1/2輪押さえて逃げ切った。ちょうど4コーナで見ていたので、角度的にゴール線が見えにくく、絵師さんとMさんは、「佐々木最後垂れた」と叫んでいたが、佐々木文字通りの横綱相撲だった。

9Rの脚見せ(271 358 946)を見て、すぐにプロレス特設会場に移動。
すでに、団体の名物松井レフェリーは、リングの中で選手の入場を待っている。

最初にかつての名テレビ番組、「プロポーズ大作戦」に酷似した(昔はそのものずばりを使っていたが)テーマ曲で、食い倒れ人形にそっくりのくいしんぼう仮面が、社長レスラーのデルフィンを引き連れ入場。
お菓子を客に撒き散らし、逆に客からお菓子(マーブルチョコが多い)をもらって、コーナポストとトップロープを使って寝そべる。
続いてくいしんぼうのライバル、えべっさんが戎祭のテーマ音楽で入場。
ご利益にと客がえべっさんにお金をお供えしていた。

そして、最後に今回の企画を考えた広告会社の弘報館が生み出した、競輪プロレス限定キャラクタ、ケイリンマスクが登場! 
びわこ同様、4月までの6番車のユニフォームと黄色いマスクを着用して、マウンテンバイクに乗ってリングの周りを1周して颯爽と入場。明らかに、びわこより力が入っている。つかみはOKだ。

カードはデルフィン・くいしんぼうvsえべっさん・ケイリンマスク
試合は、前回びわこの時よりもはるかにお客さんの食いつきが良く、定番の動きばかりでなく、えべっさんを中心に笑ってしまうシーン続出。
びわこの時は無反応な客が多かったが、今回は客と一体となってスイングした試合になった。
売店で観戦していた地元競輪選手も思わず、大笑い。
10分近くが経過し、試合は大詰めに。試合の主導権を取って奮闘していたえべっさんだったが、ここで脚を使い過ぎたのか(笑)、動きが鈍くなってくる。
そして、デルフィンの「大阪臨海アッパー(ただのランニング平手打ち)」が炸裂! ここでフォールしても3カウントを取れる状況だったが、あえてくいしんぼうにタッチ。
トップロープから、体操競技のようにヒネリを効かせて、3回転落ちし、最後は、相手を体全体でプレスして3カウントを奪う技、「関空トルネード」を放った(大阪プロレスには、他にも大阪にちなんだ技がいくつかある)。
が・・・、半ば、失敗した形になって、腰をマットに強打した。3分の1しかえべっさんをプレスできなかったが、それでもすでにえべっさんは前の大阪臨海アッパーで伸びていたので、3カウントを奪う事はでき、メインは盛況の中終了。続いて、前回同様えべっさんの締めのマイクへと移る。
「えー、今回は負けてしまいましたが、競輪やってみて、前回びわこで万車券取らせてもらいました!」
おお、前回の村浜に続いて、えべっさん嬉しい発言だ。えべっさんは続けて、競輪と大阪プロレス双方の楽しさをアピールする。
結局えべっさんアツクなったのか(笑)、マイクは長時間に及び、9R残り5分の音楽も鳴り始めたので、全員から「巻き」のサインが同時に(笑)入る。
さすが、大阪プロレス。レスラー軍団の息はぴったりだ。
こうして、今回のプロレスはハッピーエンドに終わったのだった。

さて9Rの締め切りまで残り少ないが、ここは浅井の先行と見て、番手前田を本命に。前の浅井に後ろの中津留、別戦の滝山、長谷、甲斐下で車券を購入した。

レースは完全に読みが裏目に出た。
滝山が先行。番手はもつれ浅井は後方に置かれる。結局最後は滝山の独走、バック捲りを仕掛けた浅井が2着に入り2−3となった。

「うーん」それでも、全体の負けはまだ少ない。
決勝少し考えながら買うことに。
決勝のメンバーは、
1 渓 飛雄馬(愛媛86)捲先
2 中村 幸雄(愛知51)差脚
3 小西 誠也(三重80)自在
4 山下 和久(石川37)差脚
5 中川 貴史(三重79)捲先
6 勝野 俊秀(愛知57)差脚
7 三谷 典正(滋賀49)差脚
8 檀  雄二(福岡66)差脚
9 村上 博幸(京都86)先捲
の9人。並びは532 186 974。
仕掛け方を見てると、村上はオーソドックスな押さえ先行。渓はカマシか捲りか、中川はまず捲りという感じ。中川は蹴飛ばし。あまりタイプとして好きでない。
準決勝のVTRを見ると村上の番手三谷に余裕がない。やっぱり前にいた村上の鐘先行を、差せなかったのだが、かばっているという雰囲気でなく、逆に3番手回っていた小西に差を詰められている。これなら、決勝でも交わしはまず無理。むしろ、後ろの山下にも食われるか、中川の捲りが届きかねない、という印象だ。

一方渓のカマシが成功の場合、檀と2人旅で最後檀のチョイ差しで終わりでは、と考えた。よって9−7を本線に、9−4、9−5、そして8−1を購入したのだった。
特に9−4は50倍以上付いている。大阪プロレスの村浜は、石川出身。前回のびわこでも、典型的な2着選手の石川の飯田が、穴で1着に来て高配当になっている、という事もあり、オカルトぽい考えながらも、私は山下も気になっていた。

さて号砲鳴って、運命の最終レース。ホームスタンドゴール前で観戦である。絵師さん先ほどから、2コーナ付近から聞こえてきたヤジを気に掛けている感じ。はっきりとは絵師さんには確認していないが、どうやら、無茶苦茶な事を言っているようである。
鐘が鳴り後方から村上が先手を取る。村上ラインの後ろに付いた渓の外に、中川が中団を取ろうと追い上げる。しかし前のピッチがすでに上がっていたおかげで、1コーナー過ぎに渓が、中川を退かして、1センターから捲ってくる。前を捲りきるような快調な出足だ。
「三谷さん、ブロックー!」私は思い切り叫んだ。すると、三谷きっちり、渓を張る。
すっぽりとインに空間ができる。そこを山下が突入、村上の後ろで、三谷と山下が競る形になった。
「おっし! 9−5、9−4どちらでもいいぞ」
しかし、村上はどうやら垂れ気味だ。後ろの二人が脚力を消耗している分、ゴールまで押し切れるか?

4コーナになり、優勢になった山下が前を交わしにかかる。
そこから、3人座っているポジションが悪いため、斜め前にいる客に邪魔されて、ゴール前まで選手が見えない。
・・・1秒、2秒。選手が現れた。村上はやはり山下に交わされそう。
そして、その二人の内を、黒い影が鋭く通過していった!

ゴール! 中村−山下−村上の体勢である。
うーん、村上はホームで少し吹かし過ぎた様である。
あそこをうまく駆ければ、もう少し渓と中川の併走が続いて、有利な展開に持ち込めた上、自身の脚を残すことができたであろうが。
この点、兄と似たような所があるな、と思った。
審議の赤い旗が上がった。対象は中村。どちらにしても、スカに変わりはない。

うーん、今日もノーホラか、とうなだれた時、絵師さんが「2コーナでなんか揉めてるで」と教えてくれた。
見てみると、選手が大急ぎで観客席から、バックストレートの選手控え室に走っていく。さっき、大阪プロレスの試合を見ていた村上兄がプロレス観戦から引き上げてきたのかな、とその時は、それほど重要視していなかった。

さて、今回は大阪プロレスが行われたおかげで、A級としては珍しく表彰式があった。デルフィンとくいしんぼうが特製ベルトを優勝選手に手渡すのだ。
優勝は、石川の山下。中村は審議の結果、イン抜き失格を取られていた(決勝の結果)。
やはり石川出身で今回のタイアップで競輪に目覚めた、と言われる大阪プロレスの村浜の呪いかなー、と冗談ぽく思った。

さて、ガッチャマンそっくりのケイリンマスクのテーマが鳴り、山下が自転車に乗って入場してきた。
さっそくデルフィンからベルトを受け取り、腰に巻いてもらう。少し恥かしそうな山下。実に5年ぶりの優勝だそうな。

というわけで、表彰式も終わり、帰ろうとしたとき、表彰式の司会者から、「ここで村上兄からお客様へ話したい事があるそうです」だって。何だろう?
マイクを持った村上兄、「先ほど2コーナで、お客さんと言い合いしてしまい、皆さんにご迷惑をおかけして済みませんでした!」
どうやら、後から聞いた話を含め、まとめてみると・・・。

A級決勝のレース中、2コーナに陣取っていたある客が、村上弟の体の事で何度も何度もヤジを飛ばした。
すると、バックの敢闘門近くでレースを見ていた村上兄が、その発言を聞き、観客席に行き、その男に対し、怒った。男は、村上兄の一声でシュンとなった。まわりにいる客が怒っている村上兄を制止しようとしたが、村上兄は弟を思う気持ちか、頭に血が上っていたようで、まわりの客の制止に対して、きつい言葉を何回か吐いて、その後立ち去った、というもの。

まず、村上については、やはり最近はこういう例がなかっただけに、問題である。開催中に客席に入って客と揉めるのは、いくら事情があっても許されることではないだろう。
特にこの日は、大阪プロレス目当てに、競輪場に来るのがはじめての、ライトなファンがたくさん詰め掛けていた。それだけにこの事件は起こして欲しくなかった。
競技法違反でもあるし。斡旋停止の処分は仕方ないと思う。
ただし、最後に謝っていた事を考えると、人間としては悪い人物ではない。
しっかり、処分を受けてその後は、京都の代表選手として、活躍して欲しい。

一方、野次を飛ばした客だが、27日も観戦したが、1センター付近で意味不明の汚い野次をしつこく飛ばす客がいた(まさか同一人物では)・・・。
さっきも書いたが、せっかく大阪プロレスなどのイベントを開いて、ライトなファンを取り込もうとしても、こういう人物がいるだけで、競輪場に2度と来なくなってしまう事は避けられない。しかも、選手が逃げないとか競走に関する野次ではなく、本人も隠したい病気に関する野次である。今後の競輪に対するイメージアップのためにも、こういう人間は出入り禁止などの処置を施してほしい、と思う。

話はこれくらいにして・・・
私は、といえば今日もノーホラであった。
どうも、選手のデータを意識するのがいけないらしい。
トホホーとしながら、帰りは、無料バスもなく、狭い歩道のダラダラした下り坂を東向日の駅まで3人で帰ったのだった。


競輪メニューへ ホームページへ