2002年10月27日(日)
岸和田競輪S級最終日

さて、久しぶりの競輪である。今回は妊娠7ヶ月で運動不足気味の奥さんを連れての競輪だ。

ウチの奥さんは「まつもとひとし」と聞くと「ダウンタウン」しか思い浮かばないような、全くの競輪ビギナーである。
今日は車券よりも今後のことを考えて、奥さんに競輪を楽しんでもらうほうをメインにする作戦だ。
この前に2人で、自宅から自転車で20分ほどにある住之江競艇に連れて行ったが、予想屋の掛け声に少々ビビッただけで、なんとか順応できたので、あまり心配はしていないが。

やはり競輪に行く日は心がルンルンである。南海本線の急行が泉大津に着いたぐらいから、もう「ツル首状態(競走馬が入れ込んた状態のこと)」である。

いつものように春木で降りる。いつものことながらオッチャンが多い。
この競輪レポートを書いているのは、もっと多くの同世代に競輪の楽しさを知って欲しいからである。駅にものぼりが立てられていた全日本選抜は是非そうなってほしいものだ。
 
競輪場に着いてスタンドに上がると、5RのA級特選が始まるところだった。
これを題材にして奥さんに競輪のレースの説明(並び、展開)をする。
レースは決まり手が先行しかない地元の乾淳一が後手を踏まされて捲り不発で終わったので、説明がしやすかった。
結果は北野大暁がうまく引っ張って番手の小磯芳治ー今村保徳で決まった(結果)。
 

 そろそろカミガタ氏が着いているだろうと、携帯に電話してみると、リングのそばにいると言う。
そうだ、今日は岸和田競輪と大阪プロレスのコラボレーション企画があるのだ。
近畿自転車振興会も甲子園・西宮競輪が廃止に追い込まれて、ついに本気で人気回復策を打ってきたようだ。
大阪プロレスは動物園前のフェスティバルゲートで常打ち興行をしているが、競輪と同じようにこれからが人気獲得の正念場である。
境遇の似たもの同士のコラボレーションというのは、非常に好感が持てる。他の近畿の競輪場でも既に行われたが、好評だったようだ。
今日は楽しみが色々あって楽しめそうだ。

6Rは難しそうだったので見送り、勝負は7RのS級一般戦。7車立てだが、車数が少ないほうが3連単は当てやすい。主催者側にしても補充を呼ばなくても車券の売り上げがでるだろうから、3連単は正に競輪の救世主になるだろう。
メンバーを見ると1番車の布居寛幸の捲りが断然だ。番手の5番・向吉信行(兵庫)はカミガタ氏が本命にすると言う。そこに先行の3番・市川とその番手の4番・北沢を絡めてボック
ス6点買いにする。なんとか当たってほしいものだ。

レースは予想通り市川の先行を布居が捲る展開。うまく北沢が残れば大的中だが、なんと大外から黒い影が飛び込んできた。北沢の後ろにつけていた2番の吉田康弘だ。
祈るような気持ちで写真判定を待つが、結果は1524
あー・・・逃した魚は大きい。

次の8RはA級決勝だが難解なのでケンをして大阪プロレスを見に行く。
メインの1個前の試合だが、ちゃんと(?)場外乱闘もあったりして本格的。初めて見るプロレスはかなりの迫力だった。一緒に見た奥さんも興奮していた。

プロレスが終わった後すぐに8Rが始まった。3分戦で一番非力そうだった宮本保孝が豪快に捲りきり優勝。
結果は147で3連単は22万車券だった。岸和田のA級は荒れたらとんでもない大穴が出るもんだ

9Rは5番・佐藤成人の先行1車に番手が地元の1番・秋山智幸が並ぶ。これは堅いかと思ったが、カミガタ氏は「佐藤は先行するとタレる」と言う。
それなら買うことはあるまいと、これまたケン。
レースは佐藤が先行するもやっぱりゴール前で売り切れてしまい、745で入線。2連単17100円、3連単84220円の大波乱。
この日からめっきり冬らしくなった風と一緒で、よく荒れる日だと感心してしまう。

さて次は10R。応援している9番・門野匡秀選手の出番だ。
脚見せの時から用意してきた車番と同じ紫色の横断幕(紙製)を出しておく
惜しくも準決勝では4着で優参はならなかったが、今日は頑張ってほしいものだ。脚見せでは先行1車の地元の松田治之の番手だ。今度こそ堅く収まりそうだ。応援も兼ねて折り返しは厚めに買う。

ガッシャ。発走機から9台のレーサーが飛び出した。
脚見せのように2人で並ぶはずの松田と門野がなかなか並べない。なんと松田の前・後・アウトをぐるりと門野以外の7名の選手が取り囲んでしまったのである。
これでは松田は後ろに引くことすら出来ない。まさに「雪隠攻め」だ。地力上位の松田と門野を完全に分断させる作戦なのだろう。
そのままの状態でなんと最終ホームまで来た。さすがに松田も無理矢理外に出して踏み出すが、すでに「牢屋」の中でかなりの脚を使ったのだろう、カカリが良くない。そのうえ番手もタテの脚がある7番・桑原大志が取り切ってしまい、門野は3番手が精一杯。直線入り口で松田もバテて1着は5番・山崎敦雄。桑原が2着で門野さんは3着だ
退場する9名の最後尾を無念そうに走っていく門野さんはすごく悔しそうだった。なんとかめげずに頑張って欲しい。
(1週間後の全日本選抜に3日目から補充で登場し、見事に1着を取った)。

この後、場内特設リングではプロレスのメイン、デルフィン・えべっさんVSケイリンマスク・くいしん坊仮面のタッグマッチが始まった。
ケイリンマスクのコスチュームは3層制の時の6番車のユニフォームだ。なんとなく懐かしい。
最初はギャグ連発だったがだんだん本格的なファイトになってゆく。
さすがに大阪プロレスの看板たちだ。地面がアスファルトなのに、クッションなしで場外に落ちた選手に向かってフライングボディアタックとかもしてくれる。理屈抜きで面白い。
最後はケイリンマスクがえべっさんをフォールして勝利(全ての当日のプロレスの結果はココ)。
試合後にはえべっさんのMC。彼は何と3連単も当てたらしい。もしかして7Rのアレだったのだろうか(笑)。

さて後は、泣いても笑っても1個しかない。11Rの優勝戦だ。
1 近藤幸徳 愛知
2 武智 真 愛媛
3 井上 薫 大阪
4 渡辺藤男 栃木
5 古原勝己 大阪
6 吉川 誠 神奈川
7 大久保義郎 広島
8 牧 剛央 福岡
9 佐藤康紀 青森
並び 153・27・6498

手許の「競輪ダービー」を見ると1番の近藤幸徳が断然だ。その番手に地元の古原勝己・井上薫が続く。
このレースは自分ではなく、奥さんに買わせてみよう。まずまずマークシートに3連単で15から総流しを書かせて、あと「自分で好きなのを買ったら?」と言ったら2連単の2ー1を買っていた。
レースは予想通り吉川の関東ラインが先行した。その後に近藤も続く。
そして、ここから近藤のクレバーな捌きが光る。
バック4番手から捲りに行った牧の番手で一緒に踏み込んで行き、労せず手に入った牧の番手から、2センターで2段捲りを打ったのだ。
ゴール!
「よし近藤−古原、1−5だ!」。3人で大喜び。
一応モニターで確認する。・・・アレ? 大外を黒い影が伸びているぞ・・・
粘る古原と伸びてきた黒い影、武智の車輪が並んだのがゴール線上だった。

写真判定は10分ほども続いただろうか。
そして、オーロラビジョンに映し出された着順は125・・・結果)。
3連単なら152で40倍ほど付いていた。
思わず3人で「そりゃないよー(泣)」。

今日は惜しいところで車券は外したけど、大阪プロレスも見れたし、奥さんも喜んでいたので、久しぶりに競輪場で楽しめた1日でした。

しかし3連単は難しい・・・


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