2003年8月31日(日)
奈良競輪最終日

この日は大阪プロレスによる試合が行われる。去年は雨で残念ながら中止になってしまったが、今年こそはという思いを胸に家を出た。

更にそれに加え、88期の期待の新星、永井がここまで8連勝。決勝に特進を賭ける。

というわけで普段はS級主体の私も、ホームバンクでもあり行かなければ、というわけで奈良競輪に到着。

2Rが終わり、3Rの発売。人気は7坂東。かつてはA級特選レベルだったのだが、甘いレースばかりしているなあ、という感じだった。
で、しばらく見ないうちに予選スタート、80点割れまで落ちていたのはビックリ。マークが3山本では、最近の成績もあり何か不安だ。
一方、地元9松尾4前村に乗れる。松尾はマークは堅実。結束力はこちらが固そうだ。
迷わず流しのマークシートには1着9を塗りつぶしていた。相手には4、5、1を。

それから20分後、3Rも天王山。残り2周だ。
前にいた前村が坂東が押さえてきたのを見て、突っ張り先行。坂東はたまらず後退。
「オーシ」。
・・・これはもらった!

と思ったら、バックで5藤井がまさかの裏切りの捲り! インに詰まる奈良両者・・・。
そのまま藤井−切り替えた山本でゴール(結果)。

4Rも激しい展開。1小島の先行で7藤村絶好と思ったら、9森が3コーナーで一気に捲り、6加藤を連れ込みワンツーフィニッシュ(結果)。
33とはいえ、単純に逃げたラインで決まらないと言える今日。

4Rが終わり、屋外に設置されているプロレスのリングへ。
試合ではなく、競輪好きのプロレスラー、えべっさんを招いて競輪講座をやっていた。
競輪の「ケ」の文字も知らないおそらくプロレスだけを見に来た人に出走表を配り、ラインや戦法の解説をしていた。
残念ながら反応が鈍いような・・・。見に来た人はリングの周りを去ろうとはしなかった・・・。

やっぱり競輪を愛するようになるには、実際に走る姿を見て、レースごとに違う独特の味わいを頭の中に刻み込む。この繰り返しだと思う。

5Rにはルーキー8鷲田が登場。
かつて福井のエースとして活躍していた鷲田善さんの息子。
父は1年半前小倉のレース前に倒れ、闘病生活を続けていたが、つい2週間前登録消除を余儀なくされたばかりだ。
となると、息子の活躍に期待をしたい所だが、デビュー以来、パッとしない成績。やっと、前日初連対を決めた所。残念ながら苦しそうだ。

私の本命は2竹野5西村に乗る形だが、自分でも捲りが打てる。2−5と7丸山への2−7を買った。

レースは3鈴木が先行。鷲田は出切れない。すかさず竹野は外に持ち出し、一気に前団を捲りきる。丸山がピッタリと続いている。
直線丸山が迫った所でゴール! 何とか押し切ったか。

・・・しばらく後、ガチャガチャした音を立てながら自転車がゆっくりゴールへ向かってくる。鷲田の自転車だ。
悲鳴を上げて何とかゴール線を切ると、疲れきった表情をした鷲田が、おぼつかない動きで補助員に助けてもらいながら自転車から降りた。

2−7は1740円。まずまずいい配当だ(結果)。

6Rの前にプロレスを見に行く。
去年始まった大阪プロレスとのコラボレーション。1年で終わらせなかった所が偉い。
さっき書いたこととは矛盾するが、今まで競輪場に見向きをしなかったお客様を呼び込む雰囲気を作り出すには、外の空気を入れる事は欠かせない。プロレスだと、見に来た客が熱狂的になれる可能性が高い。
プロレスに嵌ってない、けど競輪もやったことのない人だったら、取り込める望みはある、この企画に対してはそう思う。
試合自体はまだセミ前なのか、マターリした雰囲気で終了。地味に面白かった。

6Rは機動力タイプの両立で決着(結果)。

続いて7Rここを見ていただいた人にはぜひ覚えてほしい9千原が登場。
精密機械のように自分の仕事(先行)をきっちりする。
彼のラインで安心して買える事が多い、本命党にとっては頼れる選手。
というわけで、マーク地元の2渡辺との2=9を買えば良かったのだが、ここで欲が出てしまったのは残念なオレ。
2車単の2=9は買わず、渡辺の後ろの捲り足ある5青木や自在に構える6瀧熊を絡めてしまって買ってしまう。

さて車券を買って、いつも観戦している正面スタンドへ。
首を左に向けると、サングラスは掛けていたものの、見覚えのある顔が。

ちょうど1週間前、四日市ふるさとで初めて連携した名古屋のモアブ氏と、奈良のラムネ嬢である。

というわけで、アイスを食べながら3人で正面スタンドで観戦。
いつも通り千原は後ろを取り、、残り2周で前を抑えて先行体勢。
さてここで瀧熊は・・・ありゃ後方で動かない。そうこうしているうちに、今度は青木が1嶋田に捌かれてしまった!
悲鳴を上げる自分。そのまま渡辺が千原を交わしてゴール。3着は嶋田で(結果)車券はゴミ屑に・・・(涙)

気を取り直して、8Rの足見せが始まる。ここは1中野の本命は決まっているが、彼に続く選手が3久保田なのか8坂本なのか分からなかった。
脚見せで8坂本が番手なのを確認し、1=8を購入。久保田も直線勝負に徹すれば怖い選手だが、久保田と坂本の得点はあまり変わらないし、坂本の方が番手を回ったときの捌きはいいだろうと思ったので、1=8で勝負。

8Rがスタート。中野が主導権を取り、坂本−久保田で続く。中村が捲ってきたので、坂本が見事なブロック!
・・・と思ったらそのインを久保田が突いていた・・・。坂本も外で必至に抵抗するが、久保田が先着。
1−3・・・1980円も付いてるよ・・・
結果)。

9Rは難しいのでケン。3人でプロレスのリングに向かう。ちょうどメインイベントが始まるところ。
メインはスペル・デルフィン社長、くいしんぼう仮面vsえべっさん、ケイリンマスク組。
去年の競輪プロレスでも何度も組まれた定番カードだ。
まずはくいしんぼう仮面がお菓子を配りながら、えべっさんが観客を笹で「ご利益あるように」と触りながら入場。子供連れの姿も多い。
そして、ケイリンマスクが去年と同じテーマ曲で入場! マウンテンバイクに乗りながら、コスチュームはやっぱり旧ユニフォームの黄色の6番車だ。



試合自体は、コミカルに進行。定番だったパターンに加え、去年はなかった小技が効いていて、何度も見た私でもピリリと笑わさせてもらった。
プロレスをあまり見たことがなかったラムネ嬢も、クスっと笑うシーンが多かった。
やっぱり、こういうプロレスには笑いが絶対に必要と思った次第。

最後はケイリンマスクがくいしんぼう仮面を、逆さ押さえ込みのような技で、巧みに丸め込んで終了のゴング。
得意のマイクでえべっさんが締めて拍手の嵐。
いつしかリング周辺だけでなく、建物の2Fからも観戦するお客様であふれていた
。(この日のプロレス結果

余韻が残る中、9Rを見たが、やっぱり・・・。買わなくて正解だった(結果)。

そして、<10R決勝戦
1 永井  清史 岐阜
2 中村  一将 兵庫
3 塚本  善之 広島
4 廣橋  康加 佐賀
5 加藤  寛治 愛知
6 山本  貴喜 大阪
7 杉本  達哉 愛知
8 古見  浩一郎 山口
9 白井  孝典 徳島
並び14 62 57 839 

機動力タイプが多いこの決勝。
やはり焦点は、ここまで8連勝の永井が優勝してS級に特進できるか。
ここで愛用している「競輪研究」で、永井の過去の成績を確認する。

前場所は富山藪謙治(京都83)を1車身離して優勝。
うーん? 藪が2着?
藪ってそれほど大した事ない選手やん。
その他のレースでも、そんなに強い相手は出ていない。骨っぽい相手は、デビュー戦の決勝で追走2着に入った滝川秀嗣(愛知71)くらい。
それに比べて今回は機動力タイプが多い上、相手もかなり強力。
永井は横がダメなので、おそらく自身後方に追いやられて、そこからの捲り勝負になる事は必至。
一筋縄ではいかないぞ・・・と思った。

というわけで、私の本命は前期S級の杉本。同県の後輩加藤は、かなり積極的で安定度もある。
杉本が捲りをブロックして返す刀で差し込む。
オッズは永井に集中していて、スジの7−5でも20倍付いている。
これはおいしい。結局7=5、7=1と購入。

残りの2人の買った車券を強制チェック(笑)を掛けると、やはり永井から。ただしスジの廣橋はあまり信用できないみたいで、手広く買っていた。
実際に車券をお買い求められたお客様も、そのような買い方をされた方が多いだろう。
2人とも口々に「特進を達成してほしい」。
さあ、達成できるか? 号砲が鳴る。

やはり誘導員の前を取ったのは永井−廣橋。続いて愛知両者。中四国に近畿両者が続いてラインを結成。

残り2周半で近畿両者が前を抑える。永井はすんなり引き、62 57 839 14でジャン手前。
ここで山本が後ろを確認しながら踏みあげ、古見が釘付けで発進できない。
山本の踏み出しは強烈なので、たちまち各自転車の車間が開く。
永井は前とは相当差がある8番手。かなり苦しい。

ジャンが激しく鳴っている。残り1周手前で、愛知両者が発進。自分にとっては最高の展開だ。
「よし、7=5間違いなし!」


・・・と思ったら、山本の番手から中村が、加藤の番手に切り替えてきた・・・。

マーク屋なのにあっさり飛ばされる杉本・・・。

的中の確信がため息に変わる。永井はまだ後方。中村が加藤の番手から発進。永井も捲り上げるが、前がスピードが落ちずに2段、3段ロケットのよ

うに次から次へと発進していくので、差がほとんど詰まらない。
「永井死んだ!」最終3コーナで自分は叫んだ。

中村が後ろをぶっちぎり、優勝のゴール。加藤が2着に粘り、一旦離れた杉本は、加藤の後ろに付け直すのが精一杯で3着。
永井もよく捲り上げてきたが、5着。
特進の夢は儚く散った。

それにしても、昔はよくS級特進する選手がいたのにな、と思いながら、ラムネの車でドライブ。
生まれて初めて平城宮の中を通った。簡易舗装の狭い道で、40年前にタイムスリップしような感覚だ。
とにかく広大な敷地で、人はまばらで、狭い日本ではなかなか見られない、リラックスできる光景だった。

いろんな所を走ってもらい大和八木の近鉄百貨店。上の階のこれまたまばらな人しかいない食堂は、大きなガラス張りの窓があって、飛鳥の山、奈良盆地、そして二上山、葛城山が見えた。見下ろす近鉄電車と街を歩く人。いつまでも見ておきたい光景だった。 200309302038_050.JPG - 22,287BYTES


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