2004/9/22(水)
西武園オールスター 5日目

埼玉県所沢市西武の敷地。狭山丘陵一帯に西武鉄道グループが誇る、一大レジャー施設がある。

私は朝から電車で周りをなめるように、その姿を見ていた。

西武山口線。関西で言うポートライナーやニュートラムと同じ新交通システム。
西武山口線
違うのは、コンピュータ制御でなく、運転手が直に乗り込んで、マスコンとレバーを握って運転する事である。
いかにも景色から見て、遊園地の場内施設の1つのようだ。確かに昔は小さな蒸気機関車を走らせていた所だったが。

遊園地の休園日のため、ガラガラの4両編成が西武遊園地駅に滑り込む。午前10時前。
出口に「西武園競輪場方面」と書いてある。

長い階段を上がり、遊園地の南の1本道を西武園駅方向に歩くと、駐車場を経て、5分で西武園競輪場に着いた。
約3年5ヶ月ぶりの西武園参戦だ。

独特な形の西武園競輪場の屋根
独特の形の西武園競輪場の屋根

特別観覧席はまだ売っているのか?
西武園はホーム側は特別観覧席しかない。買い漏らすと、ゴール前の様子が見れない。
特別観覧席の券を求める客が、列を並べていた。列に並ぶ。

「昨日は(券は)売り切れましたか?」
「売り切れましたよ。ただし、午後2時近くまで掛かりましたがね」


特別観覧席売り場まで来ると、1階は中央部分が全滅。両端が3割くらい残っていた。一方、2階はほとんど残っている。
1回の1コーナー寄りを購入。

新聞のブースに行く。
「ん? 赤競がない?」
青競と黒競しか置いてない。
西武園駅の売店には置いているかな、と思ったが、引き返すのが面倒くさいので、やめた。

席に付くとまもなく、第 1レースの脚見せ。
高 橋光宏(群馬56)が出てくる。oshiさんご 推薦だ。
見れなくて、仕事で残念だろな、と思ったら、なんと後から来ていて、1コーナーから声援を送っていたらしい。
そんな事はつゆ知らず、ずっと特別観覧席にいた私だった。

結果は最終1コーナー併走していた遠 澤健二(神奈川57)らにポン、ポン、ポン〜〜〜と外に飛ばされ、後方のまま無念の7着。
八 谷誠賢(福岡77)佐 々木昭彦(佐賀43)の逃げワンツーだった(結 果)。

特別観覧席からバンクを見る
特別観覧席全容
特別観覧席からバンクを見る。オッズモニターは2席に1 つ 特別観覧席の室内。左上は食堂

特別 観覧席の全容(9月23日撮影)

そんなこんなで進んでいって、第 7レース
並びは 4 6
いよいよ、今回が特別初出場池田さんの登場だ!

今場所の池田さんは、特別デビュー戦となった大事な大事な初 日第3レース1次予選、中国近畿の3番手だったが、ラインの先頭の吉 村和之(岐阜80)が7番手に追いやられると、絶妙のタイミングで追い上げて、3番手を奪って、追撃を振り切ってギリギリ3 着に流れ込み。気合の入ったレースぶり。

2次予選は4 日目10レース。昨年のGP覇者、山 田裕仁(岐阜61)伏 見俊昭(福島75)と一緒のレース。夢みたいな構成だ。
目標にした澤 田義和(兵庫69)が4番手に嵌りながら行けず、伏見、兵 藤一也(群馬 82)に先に行かれ、池田さん2センターから中を突いて、「コレは?」と一瞬は思ったものの、最後伸びず惜 しくも5着。準決勝進出はならなかった。

それでも落車、失格がなければ、最終日に走れるので、嬉しい限り 。・゚・(ノ∀`)・゚・。

このレースには、かつてGPを取った選手が3人(太 田真一(埼玉75)小 橋正義(岡山59)鈴 木誠(千葉55))と3人もいる。さらに岡 部芳幸(福島66)もグランプリ2着だ。こんなメンバーの中走れるのだ。

本日は松 岡彰洋(三重69)前 田拓也(大阪71)の3番手。
ラインの前を走る選手では、バック数は一番多いが(松岡12回、太田8回、高 谷雅彦 (青森67)7回)、太田が後ろが小橋なだけに早めに行く事が予想される。となると、器用さのない松岡。後方に追いやられれば、池田さんバック9 番手…。悪夢だ。

車券の本命は岡部。買いずらい選手だが、乱れそうなレースなだけに、目標とする高谷がダメでも、自力に変化できるのが強み。
もちろん池田さん−マエタクの折り返しも押さえ。

号砲でレーススタート。の並び。この状況なら高谷の先行か?
鐘で高谷が前に出ようとするが、太田が突っ張って出させない。最終ホーム前、松岡が叩きに行くが、すでに太田がフルピッチで飛ばしていて、出きれない。阿 部康雄(新潟68が 離れて、松岡は3番手に嵌る。
中団以降がもつれる中、池田さんは阿部と併走になってしまった。苦しい外だ。

「くっ、よりによって同期と併走かよ!」

それでも最終2コーナーまでは、必死に耐えてた池田さんだが、前のマエタクが高谷に競り負け、下がって来た。当然池田さんも下がらればならない。
結局阿部の後ろに付け直し。万事休す。

そんなもつれを後ろで見ていた岡部−鈴木が一気にバックから捲る。岡部オハコの捲りだけに、いいスピードだ。
小橋も牽制しようとするが、岡部はかなり外にコースを取って、捲っていたので止められない(後からVTRを見ると、牽制して戻る時にかなり強引に戻ってい る。こんな苦しそうな小橋、見た事がない…)

池田さんは?
やはり2センターから中を割ろうとする。

岡部−鈴木でそのまま前を捲りきりゴー ル! 配当はまずまず。少しだけ取り返した。

池田さんは? 6着か7着か(7着でした…)。
7着だったら…、明日は特選2になるのか。
優秀に乗れないかなぁ。後のレースでの1〜2人選手の欠場待ちが必要だけど。

荒 井崇博(佐賀82)小 野俊之(大分77)の裏表からの3連単で間違いない! と思った次の第 8レース
荒井はきっちり先行。番手で小野が絶好かと思ったら、山 田裕仁(岐阜61)を ブロックに行った時に、小野の後ろに嵌っていた飯 尾主税(静岡81)がイン 突き。小野は5着で「ばんごは ん」

2=5−6と2−6は持って いたのに…。

「余計な事するな飯尾!」と思った反面、通常の小野なら、ブロック後 インを締めて、直線差し、のはずなのに、飯尾にあっさりとドカされた所を見ると、並み のマーク屋。調子が良くないのかもしれない。

さて、次の第9レースからは準決勝。メンバーはやや小粒だ。ファン投票1位の吉 岡稔 真(福岡65)もいない(2次予選で敗退、お帰り)。

第 9レース。並びは、9 4 7 

ここは、伏見が明日の事を考えて先行するのは、と読む。
番手の平 沼由充(福島83)から手広く買った。

今日は異常に蒸し暑い。ベタベタしてる。
第5レースの頃から、気になった空の雲。
ついに怪しい雲行きになった。
雷が近づいている

9日前、京都の山沿いを歩いていた時に、こんな光景にでくわした。
雷雨は間違いない!

案の定、遠くから「ゴロゴ ロ」という音が。やがて稲光。
光ってから、爆音が鳴るまで、1秒くらい。
…という事は、近い!

特別観覧席の窓から、2コーナー奥に電光が落ちたのを目撃した。
雨が激しく振って、窓のガラスに付着する。
競輪場が競艇場になろうか、という雨。

しかし、選手は仕事である。
走らねばならない。

発走台に付く9人の選手。
テレビカメラマンはカッパを着て、吹き飛ばされそうになりながら、選手にカメラを向ける。
号砲。

1周回ってきた所で、雨がますます激しくなる。タイヤが水をかき分ける。違う競技のようだ。それでも選手は淡々と周回する。
第9レース。1周回ったところ
実況放送の綿貫弘さんが、「こ のような天候の為、見づらい事もあるかもしれませんが、ご了承下さい!」と告げる。
残り2周

勝負どころ。伏見が逃げない。
緩んだ競走の中、稲 垣裕之(京都86)がマイ ペースで掛ける。
窓も、2人席に一台設置しているTVモニターも、水滴の付着ではっきりとは見えないが、稲垣番手の市 田佳寿浩(福井76)が、捲ってきた友 定祐己(岡山82)をブロック。その外から、伏見が来た。

ゴール。稲垣、伏見までは確定。
3着は市田と小 倉竜二(徳島77)で写真判定。VTRを見る限り、どちらが 先着が判別が付かない。同着のような気が。
案の定同着だった(結 果)。二次予選上位の市田が決勝進出。

青空が見えた
第9レースが終わって10分もしないうちに、西の空から青空が見えた

続いて10 レース。並びは 3 6
吉 田勇人(埼玉85)に乗る神 山雄一郎(栃木61)後 閑信一(群馬65)を買う手もあったが、ここはパワーを信じて小嶋から勝負。

…見事にハマった(;・∀・)。

吉田の先行で神山−後閑の番手捲り決着だった…。
3着にはオールスター終了後、東京に移籍する横 田努(熊本69)が決勝進出 (結 果)。

続いて、本日の最終第 11レース
明日最終日もあるが、ここは取って、なるべく資金を増やしておきたい。

並びは、  3 
さすがに実質先行一車で展開の助けもある村上は人気。もっとも、番手がもつれそうなだけに、村上が競りを気にして、他に捲られるというような事があるかも しれない。それでも、3着は確保できるだろう。本命は齋 藤登志信(山形80)佐 藤慎太郎(福島78)だ。スピードなら、坂 上樹大(石川80)も負けてはいない。
7=2−1、6−4−1に7−1、2−1、1−6、1−8で勝負。

レーススタート。
村上が先行体勢に入ると、3車で競りになる。一番勝って欲しくなかった兵藤が競り勝つ。坂上は落車。「あっちゃー」。
後方から齋藤−佐藤で捲ってくる。勢いがいい。村上を交わしきった。

ゴール!
「よし取ったぁ!  7−2−1」
これでも4500円つく。

実況の綿貫さん「3着は村上 か、榊枝か?」

「ん? さかきえだぁ〜?!」

VTRを見てみる。行き酔いよく捲る齋藤−佐藤の後ろをピッタリ追走する榊 枝輝文 (福島79)。ゴールで村上と並んだ。いや、交わしているようにも見える。

「うそぉ〜」

「うん、こりゃ榊枝が3着だ」と客の一人。
なんとか村上で決まってくれ。

決定放送。「決 定1着7番、2着2番、3着8番…」

シュー…。

西武園を引き上げる客たちと私。
背中が皆さびしく見えた。

「負けたのは、私だけじゃ ないも〜ん。 フンフン!」

西武鉄道でいろいろ乗った後、この日は新宿のネットカフェで泊まった。
23日、最終日に続く
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