1999年10月12日(火)
京王閣競輪前節第3日目決勝日
序章 ノーリプライ
それは9月後半のある日。電話投票加入すると送られてくる雑誌「ウイニングラン」が家に届いたので読む。
ズラズラと西のヒラ開催を見て全国の記念開催を見る。
「京王閣はいいなあ、前節も後節も(元)横綱が来るのかァ」
とA級はどんな選手が来るんだろう、と思って見てみると・・・
あっ!池田智毅さん4年ぶりの関東配分だ。
しかもあの噂のラガーマンでしろねいさんお気に入りの渡辺大吾と同配分

気になったんで、梅田駅の地下街でプロスポーツを買う。
表紙のS級の神山の顔はそっちのけでA級展望を見てみると…、

大吾と二人で◎−○分け合ってるでないの〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
しかも初日は大吾と夢の連携!
関東勢弱そうだし、うまく行けば決勝も大吾と一緒
こんな事はもう2度とないはずだ。
この瞬間、京王閣への最終日遠征がほぼ決定した
(池田さんが最終日お帰りしない限り)

前日名古屋で、ウッチーの優勝で記念競輪を堪能した後浜松で一泊。

朝5時36分の一番電車で出発。静岡県内は広い。
最初はまばらだったのに、静岡駅に着く頃には通勤・通学客で溢れている。
海側の車窓から差し込む日光が痛い。

静岡駅で乗り換え。東京行きであったが、
そのまま東京には行かずまだ乗っていない御殿場線に乗りたいと思った。
京王閣ではしゅうさんが1時までなので、御殿場線に乗りつつ、12時位には着きたい。
ところがである。邪魔されたのである。特急「あさぎり」に。
御殿場行きに乗り換えたはいいが、御殿場駅で衝撃の事実。
普通しか乗れない鉄道の日記念きっぷで来ている私にとっては、
特急のせいで、次の電車は大幅1時間以上の待ちである。やってられない。
着くのが12時30分になるかも。これでは探す時間で
それなら今来た電車で引き返せば30分早く着く。なくなく御殿場線踏破を諦めた。
次覚えてろー!特急「あさぎり」ーーー!(T_T)

第1章 多摩川
沼津で東京行きに乗り換え、川崎まで行く。ここから南武線へ。
稲田堤という所で降りて、京王閣競輪のある京王多摩川駅までは1駅。
それにしても、昔ながらのというか開発されてないというか、商店が建ち並ぶ場所である。
銀行を探したがまったくない。仕方がないので先に京王多摩川駅へ。
なんと駅からは競輪場まで1分。競輪場口の改札口まである。
非常に恵まれた立地条件
しかし銀行はない
近くの人に聞くと信用金庫ならある、という事。
信用金庫はいいけど、できれば郵便局・・・と思えば信用金庫のすぐ近くにあった。
お金を下ろして赤競買って競輪場へ。500円は近畿や中部よりも高い。
それにしても大きな店など何もない。昔ながらの街
商店と住宅地が散在し、南側にどこまでも広がっている。
そして西側には多摩川。今来た向こう側は神奈川県である。
そして北側に京王閣競輪場はあった。

第2章 紙ひこうき
新しいものなど何もないと言っていい。
前日の名古屋には、最新の特観席が存在した。そこは秘密の空間であった。
京王閣にあるのは、平屋建ての独立した休憩所。点在する売店
確かに特観席含むホームの新スタンドは工事中で来年にオープンするという。
外装はほぼできていた。
今の所は築何十年か経ったかわからない急斜面の鉄骨そのまんまのスタンドがメインである。
それにしても、5階建てである。近畿にはこんな規模のスタンドはない。
びわこの正面でも4階建て。しかも特観席込みである。
京王閣は5階建てのスタンドがコーナー部分に設置されているのである。これは驚いた。
初日は13000人も入ったというが、これならいくらホームが改装で入れないといってもへっちゃらである。競輪全盛時代の名残りである。
いつも見慣れた甲子園や奈良が小さく見える

第3章 行方不明
到着した時にはレースは3レース。福島の行方正明選手が走っていた。
まさにヤジられそうな名前で、今まで苗字も「ゆくえ」だと思っていたが、
「なめかた」であると初日の放送で知った。
レースは遠藤勝行の番手から抜け出した元S級の沓掛和重に「なめかた」マークも、
捲りも鋭い埼玉の国谷武彦が突っ込んで1980円ナリ。

バックスタンドにいるだろうと目星を付け、ローリング作戦でしゅうさん吉井−正光さんを探す。
コーナーのスタンドは確かに大きい。探すのに苦労する。
下から見上げると球場のスタンドのようだ
結局一回りした時点では見つからず。その間に4R。番手の橋本彰文は案外。
その後ろにいた同県兵庫の木下卓也が伸びて1着。鋭い追い込みには定評がある。
東京のベテラン守谷選手はどこから伸びたのか?
3−2で11300円と万車券が飛び出した。
まだ二人は見当たらず。お昼でも食べに行ってるのだろうか。

5Rの途中でバックスタンドの敢闘門の近くでしゅうさんを発見。
やがて5Rが始まる。高橋慶幸が1着。2着が大薗宏
また3−2だ。1820円
しゅうさんは少ないレース投資でかなりの配当をゲット。
これで甲子園の負け分をかなり取り返せたはずである。
前日は20人ほど来ていて楽しかったとの事
私は競輪は最終日主義の上、前日は名古屋だったから平日に来る形になってしまった。
今日は平日だからなあ。何人来れるんだろう。
と、思っていたらあの人が!

第4章 競輪ツアー敢行中
松戸以来の再会。競輪連携の目印、配当王大会主催、競輪戦士の吉井−正光さんである。吉井−正光さんは10/5以降7日を除き連日競輪に参戦
(この後もなんと15日までどこかの競輪場に顔を見せられていた)
吉井−正光さん連日の競輪ツアーが祟り、お金がないとの事で、今回は経費節減のため自転車で来たとの事。
当然京王閣はこれで毎日参戦
一応早くから来ておられたそうだ。しゅうさんとは前日会われていた。
しゅうさんやがて仕事に行かねばならぬ時間。会話も程々に現場を立ち去る。
すぐに吉井−正光さんの師匠に会う。松戸以来の再会となる。
私の顔を覚えててくれたみたいだ。嬉しい。
こてつさんも現れる。他にもよく分からないが数人加わり一気に白熱の度を増すアンラッキーYUJIさんも来ていた。

6Rは大阪から吉田尚作が登場。彼の動きは変幻自在。
穴党向きでレースを混沌へと巻き込む
赤競には石田洋秀の後ろとあるがアテにならない。
吉井−正光さんは白石護に注目。A2班の脚しかないのだと言う。
ハコで回っても差せないばかりか、後ろ何人かに食われるらしい。
レースは、田中将彦が最後に出切る。白石の後ろに石田−吉田が切替える。
さあ白石!と思ったら前を差せず、石田−吉田が4角早踏みで一気に抜けて白石ハコ4スジの3−2となった。配当は3250円ナリ。
とにかく平日にも関わらず、京王閣もヒートアップしてきたようだ。

この前後だろうか。りえさん、新潟からかすかべさん
そして東京の恩田繁子さんの3人グループと合流。
りえさんは競輪は初心者、新聞は今の所印通りに買ってると言う事で、
知ってる神山選手を応援していらっしゃるようだ。
かすかべさんはなんと新潟から日帰りで参戦
しかも来る前に秋葉原に寄ってソフトを買い求めてやって来たそうだ。すごい行動力。もっとも私も一人のA級選手のために関東に来ているので、似たようなものだが。地元新潟の選手、特にこの日9Rに出る笹川選手の応援に来ていらしたそうな。
京王閣の後、秋葉原で買ったソフトを活用して、笹川選手の応援HPを開設された。
恩田繁子さんは名前通り。地元東京の恩田繁雄さんのファン。
繁子さんは、自分で繁雄さんの応援HPを持ってる方で、吉井−正光さん同様、毎日のように参戦されていらっしゃった。
かすかべさんは笹川選手の、繁子さんは繁雄さんの横断幕を作って競輪場へ送っていらっしゃる
一時、横断幕のサイズ、材質などについてより厳しい制限が加えられる話があったのだが、どうやら立ち消え安全装置となったようで。

第5章 返事はいらない
さて、いよいよお目当ての第7RA級決勝戦である。
まずメンバー。

 菅野 浩司 神奈 A1 49 差足
2 渡辺 大吾 愛知 A1 78 先捲
 池田 智毅 和歌 A1 68 差足
 花村 直人 三重 A2 71 捲先
 鈴木 健一 福島 A1 69 差捲
 斎藤 直伸 静岡 A3 81 先行
 松田 慶一 大阪 A1 55 差足
 平島 和彦 静岡 A3 58 差足
 中島 義行 群馬 A1 60 差捲

主な選手のコメント赤競より)
菅野 静岡コンビから
池田 松田さんと連係
花村 渡辺君の番手で
鈴木 先行の番手か自在
松田 渡辺君のハコで
中島 何かしそうな鈴木君に任せたい

新聞の並びは 2473 59 681であった。

私は池田さんが大吾のハコ勝負と思ってたので、このコメントにはちょっとがっかり。
連日ピンピンを繰り返す松田さんの前に自信をなくしたのか?競りはイヤなのか?

最初の目的でも書いたが、池田さんは4年ぶりの関東遠征
前回は京王閣か花月園の記念だったと思う。
普段は西日本一帯から出ないのだが、今は和歌山が改装中
なので今回関東の配分が回ってきたのだろう。他の和歌山の選手も皆遠征が多い。
今度いつ関東に遠征するか分からないので、今回京王閣に行く事にした。

池田さんは初日は大吾マーク。二人で人気を分け合ったが、大吾後方に置かれて共倒れ。その後ろにいた松田さんが素早く切替え、インを突いて1着。2着は鈴木健三で30000円近い配当になった。前日は斎藤直伸の先行の前に後方に置かれ、危うく開いたインを突いてなんとか3着に来た。
とにかく薄氷を踏む2日間であった。しかし何とか決勝には乗った
ラガーマン大吾との再連携は見たかったのだが。
大吾も今度は先行するだろうし、チャンスあるのに。

足見せが始まる。松田さんはコメントと違い大吾の後ろで競らず、3番手を回っている。
池田さんは松田さんの後ろに行かず、一人で速いペースで踏んでいる
「今日は行くぞ」という時の先行選手の足見せのようだ。
松田さんが番手勝負に行かない、という事で自在に構えるかもしれない。
その走りは気合が入ってるようにも、何かに苛立っているようにも見えた
気持ちは一緒だぞ

車券をここで今日初めて買いに行く。池田さん何かやりそうだ。
大吾のハコがダメなら、昨日その勢いを見た斎藤のハコで競るかもしれない。
池田さんは自分から無駄な競りをしない人である。
競ったらいずれ競り返されるのが目に見えてる。生き残りの為の策なのだ。

しかし今日は勝負だろう。池田さんから買う。
やはり近畿で並んだ時の3=7。斎藤に飛びついた時の3−6
怖いのはここ二日目立った動きをしていない鈴木の番手の中島。
最終日はアッと言わせるかも知れない。3=9。一応池田さんが飛んだ時のために9−7も押さえておく。
後は鈴木との3=5

吉井さんと師匠さんと談話。吉井−正光さん「大吾の頭はない」との事。
菅野さん面白いので気持ち的には買いたいが・・・とおっしゃっていた。
師匠さんは「こんなレースだったら得点順に買えばいい。だから3=7かな」赤競を見てみると、確かに点数ではその通り。最近優勝しているのもこの2人だけ。それぞれ2回ずつの優勝である。こてつさんも池田さんから買っていた。
それにしても、池田さん98.724持っている。
事故点のためS級は無理だが、今までの選手生活の中で最高の得点である。
普通に競走をしていく過程でいつの間にかこの点数へと達していたのだ。
「マーク屋30にして立つ」という所か。
ついにここまで…A3、4班の頃から見続けて来た私なら言えるセリフのはず。
レースが始まる。

池田さんがSを取る。足見せは本当だったんだ。単独行動となる。
その後ろには南関東勢。
大吾は後ろだ。松田さんは花村と競らず大吾の後ろで折り合っている。
私は声も出さず、レースを見つめる。極度の緊張状態だ。
誰かの「池田頑張れよ」という声が聞こえた。吉井−正光さんたちだろうか。
こてつさんは二周回め位に「池田ーー腹はきまったかーー!!」と大声で叫んでいたらしい。そう言えば、そんな声援もあった。
やがて赤板である。大吾が早めに動き出す。斎藤の早駆けを警戒しているのだろう。
今日は先行か!?
やがて大吾は斎藤を押さえ前に出ようとした。
すると池田さんは、誘導を外して突っ張った。自分で踏み込んでいった。
ん、これは!?

大吾が池田さんを交わして先頭へ踊り出たと同時に、池田さんは番手花村のインで粘った!それは私が始めて見る池田さんの競りだった

普通別地区の選手にインで粘られると、前の先行選手は外の味方たる同地区の選手を守るためにピッチをスローに落とす。
スローの方が外の選手に有利だからである。封じ込められているインの選手は苦しい。
だがこの時の大吾は平均ペースで駆けていた
斎藤はすでに外に車を持ち出し、いつでも発進できる態勢だった。
後ろからの仕掛けが気になる。駆けながら大吾は後ろを見ている。本当に先行する腹積もりのようだ。
池田さんは前だけを見ていた花村が苦しそうだ

BSに来る。明らかに斎藤の仕掛け所。これを逃すとチャンスはない。
が、斎藤は凍りついたのか!?仕掛けて来ない。
「おいおい斎藤〜!なんで仕掛けないんだよ〜!?」
ここで斎藤に出切られると、買った車券が屑になってしまう私までもがこう思った。
ジャンが鳴る。1つ2つ鳴るに連れ大吾の先行は確定していく。
花村結構いい頑張りだ。どこまで持つか?
中団に鈴木−中島、南関勢は後方に置かれてしまった。

ジャンが鳴り終わると同時に、外で頑張っていた花村が後退して行く。
やがてコーナーの遠心力がこのレースでの花村の終わりを宣告した。
池田さんが番手を取りきる。最終1センターでは後方で斎藤の番手にいた平島が、「やってられない」って感じで一旦は切替える。
それを見た斎藤が今更捲ってきた。
最初のスピードはいい。だが既に3コーナー手前に達していた
大吾は既にフルピッチ。池田さんが後ろをチラっと睨みつける
(このチラっ、がたまらないんですよ)
すると斎藤はここで失速。完全に大吾−池田さん−松田さんの並び。
池田さんの勝ちは確定だろうと思った。その時を待つ。

すると池田さん2センター辺りから前との車間を広げ始める。
前を明らかに残そうとしている
「池田さん、優しすぎるよー!」
初日大吾の捲りが不発だと分かっていても最後まで切り替えず共倒れした池田さん。
今日は決勝。大吾を捨てて勝ちに行っても文句は誰も言わないのに・・・
少なくても私は。
4角から普通に松田さんが仕掛ける。池田さんもやっと前を差しに行くが、競りが効いたのか伸びがない。松田さんの勝利は確定的
田さん大吾も交わせないかも…ん、やっと交わしたかと思っていると
大外から9番車のユニフォームが突っ込んできた。

ゴール。7番の松田さんの頭は確定している。
「やられた…」。私にはゴール線9番の中島が2着のように見えた。
7−3と9−7は持っているが何故か7−9は持ってない。
こてつさんはダメだという表情。
池田さんが引き揚げてくる。たぶん吉井−正光さんだったと思う。
「池田ぁ〜!負けたけど今日の競走良かったぞ〜!また頑張れよー!」
池田さんはいつも通り淡々とした表情で敢闘門に姿を消した。
内心はどうなんだろう。

全員が引き上げた後、決定放送が。「1着7番」。それはその通りだ。
「2着…」9番だろう…「3番!」私は少しだけ喜んだ。
池田さん凄くいいレースをありがとう!

目的のレースは終わった。だが、この記念はまだ終わりではない。

第6章 ひこうき雲
7Rの直後には、のびたさんが登場。すぐに帰っていかれた。
今来て7Rのみを見てらっしゃったそうだ。

さて、8Rにかすかべさんお気に入りの笹川竜治が登場。
7月の地元弥彦記念で奇跡の切替中割りで磯一郎をもうならせた笹川。
私も8月の玉野記念最終日で3番手から伸びて1着を取っている所を見ている。
今回も馬場喜泰−広川貞治の3番手だが、突き抜けると見て笹川から勝負。
広川と捲り追い込みの真原に流した

ここで隊長さんが登場。隊長さんはここら東京周辺の競輪場の警備係をされていらっしゃる。ハンサムな人である。

レースが始まる。吉井−正光さんはもちろんハイトーンの声で地元広川を応援している。かすかべさんはなかなか笹川さんに声掛けられない

レースは馬場が最後に先行。直線勝負でそのまま入った。
結局広川−笹川で決着。加倉高広がいい伸びで3着
笹川今回はちょっと伸びに欠けた感じがした。波があるのだろう。次頑張ればいい。

かすかべさんが連れの促しもあって出待ちに行く。どんな表情で帰ってくるのかな。

9Rにこの日誕生日の千葉の伊勢崎彰大が登場。何としても勝って帰りたい所だろう。
本命は決まった。追走は渡辺秀昭だが外して渡会宏和や逃げるだろう金山栄治の番手の浜口健二、最近捲りの切れる福田篤司へと流した

レースは、金山が伊勢崎を押さえ伊勢崎がイン粘り。戦法的には伊勢崎悪くない。
「浜口ぃ〜伊勢崎には競り負けてその後ろを取れ〜!」心の中で無茶な要求。浜口は競り負け後退。
ふっ、まだいいさ。こちらにはまだ福田の捲りが残っている
最終バック過ぎからその福田が捲る。
「さあ〜ぬけぬけアッちゃん!伊勢崎以外(爆)」
(そんな競輪マンガが3年前ありました。プレイコミックで)。
そしたら金山直線に入ってもいい粘りじゃないですか。番手に機動力タイプに嵌られてるのに。
結局、伊勢崎が金山を差しただけ。捲りの福田のアッちゃんは3着。

結果的にはウマウマである。吉井−正光さんも崩れ落ちる。2人にとってこの結果は許せない。そして配当も何と6550円も付いた。なんでやねん。
しかも赤競は◎−▲押さえで的中しているではないか
(関東では◎○×△▲の順。漫画「ギャンブルレーサー」と一緒)
「今の取った?」新聞の印通りに買っているりえさんに聞いて見る。
「取ってない」。
新聞を見てみると青競であった青競では金山は無印だったのだ。
そうか、だから6550円も付いたんだ。

よって、
走る前から「馬鹿!」走って「馬鹿!」走り終わって「馬鹿!」
京王閣特有の名台詞である。

金山は大分戻してるようだ。近く活躍するに違いない、と思ってたら10/24地元広島S級シリーズで逃げ切って優勝
きっかけが京王閣にあったわけだな。
空は青だった。ひこうき雲が見える。秋の空だった。

あ、かすかべさんが帰ってきた。笹川さんに会えたようだ。頬の部分は真っ赤だ。すっかり出来あがっていた。ホットである

第7章 ヒバリのこころ
そして恩田繁子さんの声が響く。恩田繁子さんと次の10Rに出てくる恩田繁雄さんは同じ市内に住む。
繁雄さんは地元では人気のあるレーサーだ。奈良の安福さんと同期だし、人柄も良さそうなので、
(兄が熊本に移籍した事もあるが、中野浩一全盛時代の九州対東京・千葉のフラワー連合軍のいい緩衝役になっていた)
応援したい気はある。
だが最近差足は湿りがち。点数も105点と落としている。それでも前日は決勝には乗れなかったが、神山のカマシによく付いて行った。気合は買える。前の波潟は遅めの仕掛けだろうし取捨が難しい。
結局軸は波潟和男相手には自在な遠澤健二と岩見潤、最後鋭そうなカネケン、そして押さえに繁雄さんを買う。といっても均等買いであるが。

このレースは機動力不在。近畿地区プロで素人脚自慢に出た時、ヘルメットをかぶらせてくれた野原さん。位置悪く車券は買わなかったが、応援させてもらいました。
吉井−正光さんにとってはこのレースたまらない構成。おそらく彼にとってのメインレースだろう。波潟と恩田さん共に声援を送られていた。
むろん恩田繁子さんは言うまでもない。熱がこもってました

結局岩見の先行。波潟は後方に置かれる。ピーンチ!
だが3コーナーから遠澤の先捲りに乗って波潟踏み込む。繁雄さんしっかり付いて行く「配当の付く遠澤粘ってくれ!」
4角に入ると波潟の勝ちは見えた。そしてゴール。2着は際どい。だがどう見ても繁雄さんだった。繁雄さん差しに近いマークである。
もう吉井−正光さん大喜び。もちろん繁子さんも。
配当は車連で990円も付いた。これはスジなのに付き過ぎ。結構美味しいぞ。ウヒヒ。

第8章 瞳を閉じて
もう京王閣も最終レース。まだまだここにいたい。人数も揃ってるし楽しい空間だし。
それを断ち切る様にS級決勝のピストルは鳴った。

 三宅  伸 岡山 S1 64 自在
2 神山雄一郎 栃木 S1 61 捲先
 斎藤登志信 山形 S1 80 先捲
 西郷  剛 兵庫 S1 69 捲先
 東出  剛 千葉 S1 54 差足
 斉藤 正剛 北海 S2 66 捲差
 一丸 安貴 愛知 S1 70 捲先
 加藤  忍 秋田 S1 59 差足
 紫原 政文 福岡 S1 61 捲差

選手のコメント赤競より)
三宅 前々で自力勝負
神山 捲りと先行は五分五分
登志信 北日本は3人とライが出来ているので主導権を狙いたい
(…そりゃゴルフ場ではフェアーウェイもあればライもあるだろう(笑)
本当に「ライ」と赤競には書いてあるのだ!登志信はゴルフ好きなのかなあ。)
西郷 一丸君目標
東出 準決で300勝の事は一昨日にフッと気づいた。神山君の後ろへ
(でも意外と300勝の話題は少なかったなぁ)
正剛 ここは何度も連係している斉藤登君を目標にしていきます。
一丸 今日も自力で頑張りたいです。
加藤 北の3番手
紫原 初日特選同様三宅君に

新聞の並びは 25 19 74 368であった。

吉井−正光さんに聞くと「ここは登志信先行だし、マサ斉藤から」とおっしゃる。確かにマサはおいしい。前日準決勝もいい伸びだった。
もっとも神山も前日は先行と、前に8月の松戸でダラシナイ神山を見た時よりも、良さそうに見えた。神山は世界選手権の前。綺麗なレースを心がけるだろう。もちろん勝ってアピールしておきたい。

よって、斉藤正剛から何点か買ってから最後に押さえの一発2−5を窓口で購入・・・
し終わった所で吉井−正光さんを発見。
勝った筈の枠連車券を落としたのだと言う。
私と近くにいたりえさんも加わって探すがなかなか見つからない。
吉井−正光さんすっかり落ち込んだ表情で「どうしようかな・・・買い足そうかな」とつぶやいている。結局は買い足されたようだ。

吉井−正光さんは表彰式が行われるバック線手前に移動。
アンラッキーさん、自分の位置どりだ!というように金網前に客席の方を向いて座っておられる。レースの時だけバンクの方を向かれる。
(松戸の時と合わせてそういう印象が・・・)
レースが開始。

一丸か三宅かどちらか忘れたが神山を押さえる。
おいおい登志信は?一気に叩いて先行を取った。
神山後方に追いやられる。それでも前団大分脚を使っているようだ。結構ピッチ上がっていたからなあ。
神山が2角から捲ってきた。いいスピード。が、
3角に入った時強烈なマサのブロックが。
神山それでも少しだけしがみついていたが、2C過ぎに残念ながら後退。
一方マサは戻る間もなくインから三宅に突かれる。
車券がどうやらパーだ
登志信の粘りがいい。これは3−1かと思ってると、死角になっている所から前レースの波潟同様、東出が大外から伸びていた5−3か!?
その時更に外を伸びていた一丸の姿は私には見えなかった。5−7だった  

東出の表彰式を見終わった後、私は2次会での吉井−正光さんの奮迅に期待していたのだが、あいにく自転車で来た位金がないとの事。残念。
今度会った時は期待してますよ(^o^)

今回は5R分車券を買って、7Rと10Rで的中。100円だけのプラスとなった。やはり決勝少し買いすぎたのが響いたかなあ

ここで隊長さんが再登場。吉井−正光さんたちを暖かく見守っていたのかなァ。

さて、引き上げる途中に下をぼっーと見てみると、落ちている車券が目に入った。
ん?枠で4−5!
吉井−正光さんに声を掛けようとした時、ハッと気づいた。
その車券のレース番号は10R(爆)

ここで吉井−正光さんら男性陣とはお別れ。
恩田繁子さんの横断幕が降ろされる事を見る。
既に場内はゴミの片づけがかなり進んでいる。
向日町では全レース終了後バンクで練習している選手が多いのだが、ここはそういう事はなさそうだ。
隊長さんが恩田繁子さんの横断幕を届けてくれた。恩田繁子さんすごく嬉しそう。
それを見た私は何故か「恩田さんと言えば、群馬の恩田康司さんだな」ととぼける。

門の前で女性陣と別れ、出待ちを久しぶりに見に行く事にする。
別れる時、少し嬉しい事あったよな・・・ふふ。

最終章 卒業写真
それはそうとして川沿いの門に行くと、出待ちしている人が十数人。
金髪の小柄のふっくらとした女性2人組を玉野に続いてお見掛けした。
他にもいろいろいた。笹竜は風呂を出るのが早い、とか教えてもらいました。
どうやら神山や三宅はもう出ていったよう。三宅が出て行くまでは、るえかさんいはったようです。会いたかったなあ。
残っていたのは北日本勢と、千葉軍団だけ
程なく北日本勢が出て行く。マサは相変わらずハンサムだったっす。

そして最後は千葉勢。まず伊勢崎が登場。寡黙な感じで凄く礼儀正しい人だった。
整然と自転車をしまう。そして真打ち東出さんが登場。まさにヒゲリンゴだ。風呂に長い時間入ったのか体全体がホットに暖まっている千社札をポケットの中に入れてらした。別のポケットには携帯。

千社札を東出さんと伊勢崎クンに戴きました。ありがとうございます。

サインや写真撮影を優しくこなされた後、東出さんは先ほどの女性二人組と15分くらい話されていました。話が弾んだようで。
ピストがほしいといっていた人に中古のフレームも斡旋出来るよ、という話もしていたような。優しいなあ、ヒゲリンゴ
伊勢崎クンは2日後に控えた南関地区プロ(スプリントで出場)の決意を話されてました。そのスプリントで伊勢崎クンは優勝。オメデトウであります。

さて、私はそこで元大阪今武蔵野の男性と意気投合
出待ちが終わって多摩川駅まで歩いた時、うちらはさすが大阪人。他の出待ち者をカマして何メートルもぶっ千切っていました
京王線で新宿まで行き(生まれて始めて京王線乗りました)
新宿駅地下街のラーメン屋で最初は競輪、後では競馬の話で長時間盛り上がる。
高校で授業を受けている時よく立川競輪のジャンが聞こえていた、との事。
その後、ヒマだというので私の乗ってない電車区間の踏破新宿−西国分寺−府中本町−立川と付き合っていただきまして、とっても有難かったっす。

後は自分で横浜線に全線乗車し、東京駅へ向かい「ムーンライトながら」で家へと帰った。

後記
次いつ関東へ行けるかは分かりませんが、今回の遠征楽しかったです。
書いてみてこれほど文章が長くなるとは。おかげで時間が掛かりすぎてしまいました。もう皆さん時間が経ちすぎて、記憶のかなたへ忘れている事も多いと思いますし、旬からは外れてしまってこれを読んでくださる人がどれくらいいるか分かりませんが、この日の事を私は忘れたくないっす。当分関東へは自分からは行く事はないと思いますが、呼んでくださればどんどん私行きますので、またよろしくお願いします。
私のこのようなしょーもない競輪話を読んでくださった皆さん、
そして連携して下さった皆さん。
力を張っていいレースを見せてくださいました選手の皆さん、
どうも有難うございました。

あ、なお各章のタイトルは気分で付けたもので、あまり意味はありません


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