1999年7月16日(金)
大津びわこ競輪・第4回大津市営開催第6日目決勝日
「」

池田 智毅(和歌68)選手が出るという事で、行く事にしました。
今日は待ちに待ったびわこの決勝日。私は前日覆面記者Fに電話をしました。すると行けるとの事。

競馬大好きの覆面記者F(以下F氏)は地方自治体を潤す(一部を除く)競輪よりも、わけわからない所に収益金が消えると言われる(問題発言)競馬の方が大好きです。でも実況になりたくて、競輪中継もある限りビデオに撮って練習しているとの事。友人として頑張って欲しいです。

第1章「行きはよいよい」
午前10時、京阪樟葉駅でF氏と合流。
F氏は、寛仁の古館の実況の入ったテープを私に。家に帰ってから見る予定。「古館また「捲り狼」言ってるかなぁ」と気にしながら、京阪電車の各停へ。約40分で東福寺。ここで下車。
東福寺→JR奈良線→京都→JR湖西線→西大津という経路で無料バスへ。ここで私は専門紙「競輪研究」を購入。価格は410円。無料バスはわずか5分で競輪場へ。事実何とか西大津からは歩いていける距離です。

第2章「そして大津びわこ競輪場」
競輪場に着くと1Rの2分前。以前ここに来たのは6月の「高松宮記念杯」。
太田−児玉を押さえで的中させホクホク顔で家に帰ったその時の再来なるか?
競輪場は特別競輪が開催されている事もあり、綺麗です。
よく使わせてもらっている無料給湯サービスも奈良や向日町のに比べれば雲泥の差です。

ただホームスタンドが見にくい。甲子園みたいに見やすい階上席があればいいのだが、ここは階上席が室内。
視界が悪く全体を拝むのは難しいです。一方金網前は確実に見づらいです。
迷わず宮杯でもお世話になった1コーナーの2階席へ。
ここはバンク全体が眺められ、かつゴールがよく見えます。おすすめです。

ここで競輪研究を広げて9Rの並びの確認。近畿は折り合いがつくのでしょうか?まだわかりません。

第3章「ベテランたちの闘い」
1Rが始まりました。5番車は河野健二という香川の選手。実は河野選手は5Rに出てくる4番車選手会滋賀県支部長、田中広光さんの弟です。昔地元だった所で力が入る選手は多いです。
坂口の先行を本命の辻と河野で競っていました。結果は和歌山の辻誠−大阪の坂口正信。結局辻が取り切り差しました。辻は捌きも結構行けそうです。

3R、某HPで話題の松山裕一朗選手が誘導で登場。松山選手はサングラスを掛け表情はうかがい知れず。全体的に落ち着いてのほほんな雰囲気でした。実は面白い人かも知れません。顔はヒゲもなく比較的綺麗です。
ここには偉大なベテラン現在もS級の高橋健二選手の兄が出ていました。ベテランが落ちた脚を補うのにギアを上げるのは常套手段ですが、この兄はなんと50歳になろうとするのに3.50のギア比。それだけで若い選手に見えます。ま、結果は着外でしたが。

それにしても客がぜんぜん来ません。前日の観客数を確かめてみると、わずか2990人。売上が1億4443万円。
以前に比べてガタッと減ってます。昔は2億位はあったはずです。
わずか4日の宮杯の売上が、それ以外の開催全てを足した額よりも断然上回ります。
宮杯がなければこの競輪場は設備を維持できないでしょう。
ヒラ開催は福祉事業と化そうとしています。もちろん、それはそれでいい事ですが。

5Rにいよいよ滋賀の支部長田中広光さんが登場です。迷わず広光さんから購入。相当の人格者でマーク根性抜群の人でした。今はさすがに50なのでつらいですが、それでもまだA級で頑張っています。今の競走得点は77点。どうやら来る時が来たようです。結局このレースでも目標から千切れ、あえなくおだぶつとなりました。

第4章「マーク屋の心構え」
6RはBの決勝。ここの9番車財前選手は嫌いではないのです。でも何だか簡単に勝ってきた2日間を見ていると、「何か違う」と感じるのです。この選手は財前直美と同じ性という事で名前を覚えました。
財前直美に対してどんな気持ちを抱いていたかって・・・それは秘密。

財前選手は4角番手も外に被される苦しい状態。外の選手をどかして踏み込んだ途端・・・
「げっ、外に浮いてしまった〜」
そのままインから準決勝までいい事がなかった福岡の中宗政弘(福岡54)選手が中を割って優勝。外からはマークしていた大分の石川選手。スジ車券なのに万シューという恐ろしい結果になりました。
2人とも前日まで未勝利。やはりマーク屋は死んだふりが大事です。決勝さえ勝てばいいのです
「人はマークして自分はマークされない」最高です。私もそうなりたい・・・
F氏もうなづいていました。ここまで両者ともまだ的中がありません。

第5章「最悪の結末」
7R本命は3番車服部仁(岡山72)。二日間目標に裏切られ他者に割り込まれいい所がありません。競走得点は97点。例え1着に入っても競走得点は下がってしまいます。幸い服部選手には目標がありました。広島の81期平石選手という絶好の目標が。このレースの誘導員はHPを持っているデジセンマン。その顔を拝むことも今回の目的です。

F氏はつぶやきました。「デジセンマンは小さいやんけ」私が彼の競走スタイルを丁寧に説明していると、「よく頑張ってるなぁ」にF氏の声が変わりました。ちなみに某HPの人気投票では一番人気です。

仕事を終えた後、デジセンマンに声をかけようとしましたが、彼は役目を終わるとさっさとバックスタンドへ去ってしまいました。
発走前に「出路さん〜」と声をかけとけば良かった・・・と思ったその直後!

「ガシャガシャガッシャーン!」

大量落車です。3番車服部選手も落ちました。結局ウマウマで決着。私のもっとも忌み嫌う決着です。(一番好きなのは逃げ残りをゴール前交わし)。2着の1番車小林 貴博(岐阜70)の失格かと思っていると、場内放送が・・・
「ただ今の審議の対象は3番車で3着までには関係ありません。決定〜」 

服部選手は結局失格。踏んだり蹴ったりの3日間であったに違いありません。
ところで落とされた山田 晃也(和歌76)選手は無事なのでしょうか。
別に好きではない選手ですが、高校では9Rの池田智毅と自転車部の同期でしたし、
日大では井狩さんや三和英樹さんの後輩に当たる人ですから、気になります。

レースも後半に差し掛かるとだんだんと客数も増えてきました。そこで気がついたのは若い人が多い、と言う事。いつも甲子園ばっかり行ってるので、そう思うのかもしれませんが、老人の比率が少なく若者で埋め尽くされています。特にホームの金網前には若い人がたむろしています。甲子園とは別世界です。なんでこんなに違うのでしょうか。

第6章「本当の競輪」
8R坂東 利則(兵庫28)の息子、克則(兵庫79)は、前回小倉で12(4)。決勝では中畑 正彦(和歌59)の優勝に貢献。先行力は強烈です。予想では「瀬戸大橋の絆は深い」と書いていましたが、車券はこちらの方も少し。ところが・・・、後はもう書きません。坂東株は暴落しました。

そして9R。目当ての池田さんの登場です。脚見せでは番手は池田。予想を見てくださった数少ない方、すみません。最近また池田さんは戦法を徹底番手主張、コース関係なく突く昔の競走スタイルに戻しつつあり、好ましいです。一方競るはずだった3番車の森下 忠夫(高知69)は福岡の池田 英樹(福岡76)のラインにつけています。

この並びを見て迷わず池田智と近畿の先鋒片山 慎二(大阪65)で心中。しかし私は最初に見てから10何回と池田さんの競走をみていますが、2着が1回だけで頭のシーンを全然見たことがありません
そこでF氏に「自分は池田(智)から買うけど、別線から買ってね」と指示を送ります。予想屋も池田英の2日間の走り方の優秀さを説いていたので、F氏は3森下から8安藤 雄一(福岡59)と6小泉 孝志(徳島57)で勝負です。

このレースの過程はここを参照してもらうとして、重複する部分もありますがレースの感想を。

いやー、本当にすばらしいレースでした。池田智は敗れました。けど前の7、8Rと違って選手の動き自体が生き生きとして見えました。特に前を取ってしまった池田智が、ジャン後から何とか近畿に嵌ろうとしてそれを池田英が阻止しようとする所など双方の意地と意地のぶつかり合いで、感激でした。間違いなく今日のベストレースですし、私の競輪人生でも忘れることのできないレースになるでしょう

ヒラのしかも決勝ではないレース、
そこに本当の自転車で競い合う姿「競輪」を見ました。

池田智毅が好きなのもレース自体がいい内容になぜかなってしまうからなのです。そして戦った選手の事も覚えていく。私の競輪経験はほとんどその繰り返しと言ってもいいでしょう。
最後も絶望的な状況の中、必至のモガキでした。復活は近そうです。

F氏惜しかったです。安藤がもう少し追い込んでいれば的中だったのに。ただ池田英樹が2着に残ったのも当然の結末でしょう。

第7章「そしてまた悲劇が」
こんな9Rですから、決勝の事は忘れました。いや、忘れたくても忘れられません。
決勝メンバーは
1 島田 竜二(熊本76) 98 自在
2 伊藤 嘉浩(岐阜79) 96 先捲
3 木本 賢二(大阪69) 99 先差
4 中川 栄次(滋賀54) 91 差足
5 妹尾 英信(岡山67) 96 捲先
6 志村 達也(広島71) 92 先捲
7 杉山 正和(三重59) 94 差捲
8 杉山 義徳(福岡58) 96 差足
9 船出  進(兵庫60) 96 差捲
並びは18 27 349 65
機動力タイプもたくさん残り、レベルの高い一戦です。

まだ私たち2人はノーホラ。私は予想通り木本からと、さっきのB級決勝を思い出して2日間いい所のない杉山正から児玉広志(香川66)を昔ハコ3にした事もある妹尾を絡めて。

妹尾は私にとって思い出深い選手で、ここびわこのS級シリーズに来た時に、妹尾の先行で渡辺一貴(滋賀58)が優勝。車券も取らせてもらい、また玉野S級シリーズでも妹尾から勝負して的中、と相性はいい選手でした。
F氏は伊藤−木本の裏表と木本−中川と一応杉山正−伊藤で勝負しました。

島田は2日間らしくない走り。自力選手にとってそれは痛い。おまけにギアを3.62から3.77に上げていた。スピードで勝負するつもりなのだろうが、決勝は勝つ競走、つまり位置どりを考えて走る競走を島田の場合しなければならない。
追い上げたりインで粘ったりという事である。島田はそれが得意である。
なのにそれに逆行したギア上げ。一番に蹴飛ばしました。

決勝のピストルが鳴りました。
前に押し出された木本が志村の後ろでイン粘り。ピッチが緩んだ途端、好調伊藤のカマシ。マサ杉山まで出きり志村は離れた3番手。木本は競り負け万事休す。

志村が追いついて捲ってきたのをマサ杉山がブロックしたその時でした。

「ガシャガシャガッシャーン!」
ああ、また忌まわしいあの音が。しょっぱいレースになりました。
マサ杉山はどうやら滑ったみたいです。F氏は「遅すぎるブロックが原因だ」と言っていました。
この瞬間私たちのノーホラは決定しました。優勝は落車を避け追いついた島田でした。結果1番人気

第8章「帰りは怖い・・・のか?」
・・・・・・
駅に向かう無料バスは混雑します。
そこで、西大津に向かう帰りの道を歩いていると救急車が数台、私たちの横を通りすぎていました。
落車総数9名。中川栄次などプロテクターが露出した状態で再乗ゴールしていました。
けどF氏は「9Rが見られただけで良かった」と言ってました。

だからもう決勝の事はどうだっていいです。
これからはびわこにももっと足を向けようと思っています。


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